倒産防止共済に係る適用制限@令和6年度税制改正大綱

2024年01月11日 :

税理士の飯倉です。

新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

今回も令和6年度税制改正大綱について記載していこうと思います。

中小企業倒産防止共済事業に係る措置の適用制限

以下は税制改正大綱の抜粋です。

特定の基金に対する負担金等の損金算入の特例における独立行政法人中小企業基盤整備機構が行う中小企業倒産防止共済事業に係る措置について、中小企業倒産防止共済法の共済契約の解除があった後同法の共済契約を締結した場合には、その解除の日から同日以後2年を経過する日までの間に支出する当該共済契約に係る掛金については、本特例の適用ができないこととする(所得税についても同様とする。)。
(注)上記の改正は、令和6年 10 月1日以後の共済契約の解除について適用する。


全くのノーマークだった部分に改正が入ってきました、、、

「倒産防止共済」は別名「経営セーフティ共済」とも呼ばれ
本来は取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐために創設された国の制度です。

ただ、大半の事業者は本来の目的ではなく、節税対策としてこの制度を利用しています。

本来の趣旨ではなく、「節税として利用している」という部分に国のメスが入りました。

具体的には解約した後に再契約をした場合に
解約してから2年間は掛金が損金(税金計算上の経費)とならなくなるようです。

これ、中々やっかいですね、、、

倒産防止共済は毎月の掛金が損金となり
40か月以上積み立てていると掛金が100%戻ってきます。
戻ってきたときに益金(税金計算上の収入)となってしまいますが
今出ている利益を将来に繰越すことが簡単にできるため
基本的にはお客様に説明し加入してもらっています。

業績のいい時の利益を将来に繰越すことで節税し
業績が悪く赤字になってしまうときに解約することで
結果繰り越した利益に税金をかからなくできるというような感じです。

ただこの倒産防止共済の唯一のデメリットは
40か月以上積み立てをしないと元本割れをしてしまうという部分です。

倒産防止共済は月額の掛金を5,000円~200,000円まで自由に選ぶことができるため
今とにかく節税をしたい人は何も気にせず満額の200,000円をかければいいですが
今はそれほど利益が出ていない人はとにかく40か月を稼ぐために
5,000円で加入すればいいのです。

弊所のお客様についても業績が悪くなり解約した後には
すぐに回復する見込みがなくても将来の使い勝手を良くすることと
期間を稼ぐためにも5,000円で加入してもらっています。

この改正が入ることによって解約してから2年間は損金にすることができないため
損金にならないことを気にして2年以上経過してから加入するのか
とりあえず損金にならない期間は5,000円で加入しておき
2年分の120,000円は節税に使えなかったとしても期間を稼ぐために加入しておくのか
悩みどころですね。

恐らく損金にならなかった部分については
将来解約した時には益金にしなくてよいと思うので
僕だったらとにかく40か月を稼いでデメリットを無くすためにも
5,000円で加入することをおすすめしますね。

※損金にならなかった部分についても、解約した時に益金にしなければならないのであれば
 もう少し検討ですが、、、

みなさんはどう考えますか?

倒産防止共済に係る適用制限@令和6年度税制改正大綱

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