貸借対照表の見方③

2023年06月07日 :

税理士の飯倉です。

引き続き貸借対照表について書いていきたいと思います。

改めて貸借対照表とは何かというと

今の会社の資産、負債、純資産を表しています。

これを別の言い方にすると

資金をどこからいくら調達してきて

その資金を何にいくら使っているかを

表しています。

資産の部を見ると

社長が何にお金を使ったのかがわかります。

また負債、純資産の部は資金の調達方法を表す部分なので

利益でどれくらいの資金を確保できているのか

借金等の負債でどれほどの資金を賄っているのかがわかります。

損益計算書はその会社がどれくらい儲かっているのか

いわゆる稼ぐ力がわかりますが

貸借対照表はお金を使う力(残す力)がわかるということです。

稼ぐ力があっても使う力(残す力)が無ければ

前回のブログ(https://iikura.hamazo.tv/e9661945.html)で説明したような貸借対照表になってしまい

会社が危なくなってしまいます。

貸借対照表の理想は

左側は逆三角形(▽)、右側は三角形(△)とよく言われます。

貸借対照表は左側に資産が表示され

上から現金預金・受取手形・売掛金・棚卸資産等の流動資産が並び

その後に不動産等の固定資産が並びます。

右側には上から支払手形・買掛金・等の流動負債が並び

その後に長期借入金等の固定負債

最後に純資産(資本金や利益剰余金)という順番になります。

貸借対照表の見方③

(この図は流動資産の部分を現金や売掛金等のすぐにお金になる当座資産と在庫等のその他流動資産とで分けて表示しています。)

要するに左側は逆三角形のように上の数字が大きければ大きいほど

会社に資金がたくさんある状態

右側が三角形のように下の数字が大きければ大きいほど

返済しなくていい純資産や

負債でも固定負債のような支払いが長期にわたるもので

資金が会社に出ていきにくい状態と言えます。

これが逆になるとどうでしょうか。

左側が三角形のように上の数字が小さく下の数字が大きいと

手元の現金が少なく、現金化しにくい不動産や機械等の設備ばかりで

資金繰りが怖くなりますし

右側が逆三角形のように上の数字が大きく下の数字が小さいと

すぐに支払いをしなければならないような支払手形や買掛金が多いということになり

これも会社の資金繰りを危険にします。

形の組み合わせでいう

理想は   左側 ▽ 右側 △

危険なのは左側 △ 右側 ▽

理想の形は無理でも危険な形にならないために

右側▽(すぐ支払うものが多い)時には左側を▽(手元の現金を多くする)というように

銀行から長期返済で資金の借入することで対策できたらと思います。

この形のバランスは良い状態から悪くするのは簡単ですが
(手元現金を散在する等)

悪い状態から良くするのは時間がかかることが多いため

普段からこの形となるように意識してもらえるといいかなと思います。

どれだけ損益計算書(稼ぐ力)が良くても

会社がつぶれる時は貸借対照表(使う力、残す力)が悪い時です。

ただし必要な投資をしないと会社が成長していかないということも事実なので

お金をただ置いておくだけが正解ということでもありません。

稼いだお金をどの程度手元に残しながらどう資金を使って会社を成長させていくか

これを考えることこそ経営者のやるべき仕事であり

その仕事のサポートをする税理士でありたいですね!

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